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光設計賞
光設計優秀賞
次世代超大型望遠鏡TMT/第一期観測装置IRISの光学設計
- Co-axis double TMAを利用した極低収差、高スループット光学系の実現 -
   受賞者 :都築 俊宏
   所属  :自然科学研究機構 国立天文台

左から審査委員長の辰野氏、受賞者の都築氏
 授賞理由
 TMT(30m望遠鏡)の赤外線撮像分光装置の撮像部に求められる極低波面収差と高スループットという2つの課題に対して、的確に光学系を選択して簡潔な解を美しく導き出した点を評価します。本技術は大きな国際プロジェクトで採用された実用性において特筆すべき点があるとして、光設計優秀賞を授与します。
 概要

超大型望遠鏡TMT(Thirty Meter Telescope : 30m望遠鏡)のファーストライト観測装置IRIS(InfraRed Imaging Spectrograph : 赤外線撮像分光装置)の撮像部の光学設計を報告する。IRIS撮像部は30m望遠鏡で集めた光を地上で回折限界レベルに結像させることが要求される。その光学系に要求される設計仕様のうち、特に、1)極低波面収差の実現(製造誤差及びアライメント誤差など含めて42nmRMS以下であること)、2)高スループットの実現、という2つの設計仕様の挑戦度が高いと考えられている。
 この光学系を実現するにあたって、従来の設計に対してスループットと結像性能を改善する設計手法 ”Co-axis double TMA” を考案した。これは、従来の共軸反射光学系の光学システムの一部を、非対称性収差を打ち消すように組み合わせることで、瞳座標に対する非対称収差を除去するものである。この設計手法により、ケラレのない反射光学系で、軸対称な収差分布の良好な結像性能を得ることが可能となる。実際の設計では、設計波面収差を18nmRMS以下とし、面精度や製造誤差を考慮に入れた場合でも波面収差を42nmRMSに抑える解が得られた。従来の設計に対してスループットと結像性能を改善した本設計解は、2017年9月に海外での基本設計レビューを合格した。

 
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